
路上(ジャック・ケルアック)
旅! 自由! 酒! マリファナ! ビート・ジェネレーションの旗手、ジャック・ケルアックが書いた小説です。
■村上春樹と
この小説は、僕の中の「旅をしたくなる小説ベスト3」に入ってます。さらに「酒を飲みたくなる小説ベスト3」にも、村上春樹の作品とともにランクインしてます。
■スマップと宇多田ヒカル
僕が「路上」を読んだのは1990年代の後半でした。たぶん1998年だったと思います。
その年は、SMAPの「夜空ノムコウ」が大ヒットしました。大リーグでは、マーク・マグワイアとサミー・ソーサがホームラン合戦をしていました。
宇多田ヒカルが衝撃的な「Automatic/time will tell」を引っさげて派手に登場したのも、この年です。ゆず、モーニング娘。、浜崎あゆみ、鈴木あみがデビューしたのもこの時期ですね。
あのなつかしい1998年は、もう10年も昔になってしまったんですね〜。しみじみ。
■スーツのポケットに
1998年は僕にとってザラザラした年だったかも知れません。今となってはなつかしいっていうザラザラ感。
そんな中で必死に読んだのが「路上」でした。仕事中もつねにスーツのポケットに忍ばせていました。
■ビート・ジェネレーション
「路上」は簡単にいってしまうと、アメリカの若者があてもなく旅をしたり、酒を飲んだり、ジャズを聞いたり、騒いだり、恋をしたりする話です。
この小説は1950年代に発表されました。アメリカの若い反逆的な世代(ビートジェネレーション)の聖書として、たちまちヒットしたそうです。
■アメリカ大陸横断の旅
僕はこれを読みながら、旅の資金のつくり方とか、旅先での仕事の見つけ方、寝る場所の確保の仕方なんかを学ぼうとしていました。
そうしたら自分も彼らみたいにメチャクチャな旅ができるんじゃないかって(笑)
でも小説に登場する若者たちはホントに陽気でムチャでワイルドなんですよね。ワイルドというか、危なっかしくてガサツで。
それがまた「こんな生き方もあるのか!? すげぇ!」っていう爽快感を生んでるのかも。
■実在した人々
小説の主要な登場人物にディーン・モリアーティという青年がいます。行動力があって、仲間をぐいぐい引っ張りながら、古い常識を体当たりで破壊していくタイプです。
ディーンは実在したニール・キャサディという男をモデルにしてるんです。実在したニール・キャサディは、メキシコの線路の上で裸のまま死んでいるのが発見されたそうです。
■詩人ギンズバーグ
ほかにもいろいろな人が登場しますけど、みんなそれぞれ実在のモデルがいます。詩人のギンズバーグも、小説ではカーロ・マークスという名前で登場しています。
■カバーイラストもいい!
そしてこの本、カバーイラストがきれいなんですよね。
読まないでただ本棚においておくだけでも「自由」で「反逆」な気分になれそうなオーラがあります。

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