■V6の岡田准一くん
V6の岡田准一くんはドラマ撮影の休憩時間に『戦争と平和』を読んでいる…
と、
先日なにかのテレビ番組で菅野美穂さんが言ってました。
■いわずと知れた
『戦争と平和』はロシアの文豪トルストイの長編小説ですね。
歴史小説というよりも時代小説に近いですが、ナポレオンやロシア皇帝など実在の人物も活躍しますし、一応、歴史小説として感想を書いてみたいと思います。
■ナポレオン戦争
小説の舞台は19世紀初頭のロシア。
ヨーロッパ諸国を制圧したナポレオンの脅威が、いよいよロシアにも迫ってくる、という時代です。
いわゆる「ナポレオン戦争」ですね。その時代のロシアの人々を描いた作品です。
■一人ひとり
歴史の教科書でおなじみの「アウステルリッツの三帝会戦」や「ナポレオンのロシア遠征」などの世界史的出来事のほかにも、
少年と少女の初恋、青年の夢と挫折などが描かれています。
■丁寧に
当時のロシア貴族社会がとても細かく丁寧に書かれてます。そこで生きる人々の様子が、本当にひとりひとり、丁寧に。
■ヨーロッパの激動
ひとつの国家というのは、こうした小さな個人の集合なんだということをすごく感じました。
個人がたくさん集まって国家になり、その国家が絡みあって、ヨーロッパの激動をつくる。さらにその激動が、歴史になっていく。
■歴史を動かしているのは誰だ?
この小説にはナポレオンが登場します。
フランス革命の寵児。英雄です。
歴史の渦のド真ん中にいた人物です。
じゃあナポレオンが歴史を動かしているのかというと、そうでもないんじゃないかと思うんです。むしろ歴史に動かされているような…
■歴史の波
人々の小さな生活。その鼓動が集まって大きな歴史の波ができる。そんな印象を受けました。
ナポレオンは波に乗るサーファーです。
サーファーには波を起こす力はありません。ただ波に乗るだけです。波の上で一番うまく踊れた人が英雄と呼ばれるんですね。
■波を起こしているのは
波を起こしているのは、たくさんの普通の人々。
初恋をしたり、お酒を飲んだり、友人とケンカしたり、夢を語り合ったりしているフツーの人々。
彼らの「フツーの人生」の集まりが、歴史のエネルギーになっていく。そういうことを実感できる小説でした。
戦争と平和〈1〉 (新潮文庫)
戦争と平和 (2) (新潮文庫)
戦争と平和 (3) (新潮文庫)
戦争と平和〈4〉 (新潮文庫)