2007年02月03日

戦争と平和 トルストイ(著)

戦争と平和〈1〉 (新潮文庫)


■V6の岡田准一くん

V6の岡田准一くんはドラマ撮影の休憩時間に『戦争と平和』を読んでいる…

と、

先日なにかのテレビ番組で菅野美穂さんが言ってました。


■いわずと知れた

『戦争と平和』はロシアの文豪トルストイの長編小説ですね。

歴史小説というよりも時代小説に近いですが、ナポレオンやロシア皇帝など実在の人物も活躍しますし、一応、歴史小説として感想を書いてみたいと思います。


■ナポレオン戦争

小説の舞台は19世紀初頭のロシア。

ヨーロッパ諸国を制圧したナポレオンの脅威が、いよいよロシアにも迫ってくる、という時代です。

いわゆる「ナポレオン戦争」ですね。その時代のロシアの人々を描いた作品です。


■一人ひとり

歴史の教科書でおなじみの「アウステルリッツの三帝会戦」や「ナポレオンのロシア遠征」などの世界史的出来事のほかにも、

少年と少女の初恋、青年の夢と挫折などが描かれています。


■丁寧に

当時のロシア貴族社会がとても細かく丁寧に書かれてます。そこで生きる人々の様子が、本当にひとりひとり、丁寧に。


■ヨーロッパの激動

ひとつの国家というのは、こうした小さな個人の集合なんだということをすごく感じました。

個人がたくさん集まって国家になり、その国家が絡みあって、ヨーロッパの激動をつくる。さらにその激動が、歴史になっていく。


■歴史を動かしているのは誰だ?

この小説にはナポレオンが登場します。

フランス革命の寵児。英雄です。

歴史の渦のド真ん中にいた人物です。

じゃあナポレオンが歴史を動かしているのかというと、そうでもないんじゃないかと思うんです。むしろ歴史に動かされているような…


■歴史の波

人々の小さな生活。その鼓動が集まって大きな歴史の波ができる。そんな印象を受けました。

ナポレオンは波に乗るサーファーです。

サーファーには波を起こす力はありません。ただ波に乗るだけです。波の上で一番うまく踊れた人が英雄と呼ばれるんですね。


■波を起こしているのは

波を起こしているのは、たくさんの普通の人々。

初恋をしたり、お酒を飲んだり、友人とケンカしたり、夢を語り合ったりしているフツーの人々。

彼らの「フツーの人生」の集まりが、歴史のエネルギーになっていく。そういうことを実感できる小説でした。

戦争と平和〈1〉 (新潮文庫)
戦争と平和 (2) (新潮文庫)
戦争と平和 (3) (新潮文庫)
戦争と平和〈4〉 (新潮文庫)