仲間由紀恵、高島礼子、井川遥、木村多江、浅野ゆう子、松下由樹らが主演した映画『大奥』を小説化したものです。
大奥史上最大のスキャンダルといわれる絵島・生島事件(江島・生島事件)を題材にしています。
映画については大奥 スペシャル・エディションをどうぞ。
■高島礼子vs井川遥
物語の舞台は江戸。徳川7代将軍、家継の治世です。
大奥では二人の女性が対立していました。
天英院(高島礼子)と月光院(井川遥)です。
天英院(高島礼子)は月光院(井川遥)の勢力を追い落とすために、罠をしかけます。
天英院(高島礼子)が目をつけたのは、月光院派の実力者で大奥総取締の絵島(仲間由紀恵)でした。
■仲間由紀恵、ピンチ!
天英院(高島礼子)は、絵島(仲間由紀恵)をスキャンダルに巻き込むことで、月光院派の勢いを削ごうとします。
■極秘指令
ここで生島新五郎(西島秀俊)という美男の歌舞伎役者が登場します。
天英院(高島礼子)は生島新五郎(西島秀俊)に対し、絵島(仲間由紀恵)と密通するよう命じます。
■スキャンダル
歌舞伎役者と大奥総取締の密通。これが発覚すれば大スキャンダルです。
法外な報酬を約束された生島新五郎(西島秀俊)は、絵島(仲間由紀恵)に接近します。
絵島(仲間由紀恵)は、最初のうちは大奥総取締という立場を意識して生島新五郎(西島秀俊)への想いを押し殺していましたが、しだいに自分の気持ちに素直になっていきます。
■はあと
一方、生島新五郎(西島秀俊)のほうも、はじめは「仕事」として絵島(仲間由紀恵)に近づいたのですが、いつしか本気になり、自分の命をかけてでも天英院(高島礼子)の陰謀から彼女を守りたいと思うようになっていきます。
■並んで風に吹かれる
船の上で、生島新五郎(西島秀俊)が絵島(仲間由紀恵)に言います。以下引用。
「並んで風に吹かれる。並んで座る。同じ空気を吸う。空を渡る雲を見る。話をする。話をしない。(中略)そういうことを、あんた、男としたことがありますか」
絵島(仲間由紀恵)にそんな経験はありません。
大奥の女として、彼女はずっと城の囲いの中で生きてきました。
「この船の上にいる間は囲いを取って下さい」と生島新五郎(西島秀俊)は言います。絵島の心が波立つ、印象的なシーンです。
■はかなさ
これは仕組まれた恋です。実らない恋です。だからでしょうか、どのシーンの底にも、なんとなく儚さみたいなものが見え隠れ。
映画のシナリオがベースになっているので、全体的にさっぱりとした読み心地です。
文章よりも、シーンごとの人物の動きなどで気持ちが表現されていることが多いです。映画のように映像を思い浮かべながら読むのがオススメです。
大奥―OH!OKU (角川文庫)
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