2007年01月28日

小説 徳川秀忠 童門冬二(著)

徳川幕府の第2代将軍、徳川秀忠が主人公の小説

小説 徳川秀忠 (人物文庫)

■秀忠の目

秀忠の目を通して、関ヶ原の戦いや大坂の陣、さらに3代将軍家光への政権移譲などが描かれています。

歴史を現代のビジネス社会に例えたり、文中に箇条書きを用いるという手法は、童門冬二さんの特徴ですね。


■地味な2代目

徳川幕府の初代は家康。

3代は生まれながらの将軍、家光。

このふたりに挟まれて、2代目の秀忠はなんとなく地味なイメージがあります。

でもこの小説を読むと印象がちょっと変わります。


■遅刻の理由

秀忠は関ヶ原の戦いに遅刻しました。

これだけでも「秀忠は無能だ」といわれてしまいがちなんですが、本書は違います。

「秀忠はわざと遅刻した」という視点から、なるべくフィクションを排除した作風で、彼が有能な2代目だったことを浮き彫りにしています。

小説 徳川秀忠 (人物文庫)