2007年01月26日

功名が辻 司馬遼太郎(著)

戦国武将・山内一豊の小説

功名が辻〈1〉 (文春文庫)

仲間由紀恵さん、上川隆也さんの主演で、2006年のNHK大河ドラマにもなった小説ですね。

信長、秀吉、家康の3人に仕えた戦国武将・山内一豊と、それを支えた妻・千代の物語です。


■後味が悪い

ずばり。読後感が苦いです。

でもその苦味が、歴史の苦味なのかも知れない、と思いました。


■ボロボロの男

織田家に仕える山内一豊は知行わずか50石。

「ぼろぼろ伊右衛門」と異名をとるさえない風体の男です。

そんな彼が、妻の支えと自身の奮戦で功名を重ね、やがて土佐24万石の国主に出世していきます。


■歴史の舞台裏

ふだんは見ることができない歴史の舞台裏を、特別に覗かせてもらっているような気持ちになりました。

信長、秀吉、家康たちは歴史の表舞台で華々しく活躍しましたよね。

スポットライトを浴びる彼らの周りには、英雄でも天才でもない一兵士、一武将たちがイッパイいたわけで。


■普通の人はどう生きたのか

傑物たちの一挙一動に翻弄されながら、「普通の人々」はどんな知恵で乱世を生き抜いたのか。

『功名が辻』にはその答えがありました。


■信念は崩れる

一豊はスーパーヒーローではありません。

等身大の人間臭さが魅力です。

「男が、男であることを表現するものは、功名しかない」と彼は信じています。

でも司馬遼太郎さんは「この哲学は、いつか崩れるときがくる」と書いて、一豊の信念がゆらぐことを予言しています。


■迷い道

信長、秀吉、家康にはゆるぎない信念を感じます。「芯」というか「ふてぶてしさ」というか。

でも一豊にはそれがありません。

一途に功名を追ってはみても、ときにその信念はゆらぎます。

はたして自分の生き方は正しいのか、って。


■不器用で愛らしい

一豊と千代はあちこち壁にぶつかって迷いながらも、二人三脚でゴールを目指します。

けしてスマートではないけれど、その不器用さがかえって愛らしい。そんな夫婦の物語です。

甘さも苦さも、等身大。

功名が辻〈1〉
功名が辻〈2〉
功名が辻〈3〉
功名が辻〈4〉



■DVDボックス

NHK大河ドラマ 功名が辻 スペシャル DVD-BOX
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