


1995年に『剣豪将軍義輝』で絶賛された宮本昌孝さんの作品です。
■死体の肉を削ぐ
ある男が短刀を手に、屍の肉を削ぎ落とすシーンから物語ははじまります。
屍は、男の父親です。
この男は何者なのか、屍の肉を削ぎ落とす行為にどんな意味があるのか。
■さわやかな道三
道三は「美濃のマムシ」と恐れられました。
どちらかというと腹黒くて油断のならない野心家というイメージなんですが、この作品は違います。
さわやかで快活な好青年!
(´▽`)ノ
■冒険の旅へ
道三は野心を胸に京を飛び出し、途中で多くの敵や仲間と出会いながら戦いを繰り広げます。
夢への階段をのぼっていく姿は、少年のような冒険心と躍動感にあふれています。
まさに道三とその仲間たちの青春群像といった雰囲気の小説です。
■夢のツーショット
若き道三と、老将・北条早雲が手を組んで、ともに戦う一幕があります。
これは興奮しますね。
あの道三とあの早雲のツーショットです。
戦国ファンには垂涎モノの心踊るシーンです。
■道三の秘密
道三は隠居後に剃髪してはじめて「道三」と号するようになりました。
ですからこの小説においても、はじめから「道三」と名乗る人物が登場するわけではありません。
はじめは読者も誰が斉藤道三なのかわからないんです。
魅力的なたくさんの登場人物のうち、いったい誰が斉藤道三になっていくのか、それを予想しながら読むという知的なゲーム感覚の面白さもあります。
この謎を解く重要なカギが作品タイトルの『ふたり道三』という言葉に隠されています。
ふたり道三〈上〉
ふたり道三〈中〉
ふたり道三〈下〉