2006年04月10日

ふたり道三 宮本昌孝(著)

戦国武将、斉藤道三の小説

ふたり道三〈上〉 (新潮文庫) ふたり道三〈中〉 (新潮文庫) ふたり道三〈下〉 (新潮文庫)

1995年に『剣豪将軍義輝』で絶賛された宮本昌孝さんの作品です。


■死体の肉を削ぐ

ある男が短刀を手に、屍の肉を削ぎ落とすシーンから物語ははじまります。

屍は、男の父親です。

この男は何者なのか、屍の肉を削ぎ落とす行為にどんな意味があるのか。


■さわやかな道三

道三は「美濃のマムシ」と恐れられました。

どちらかというと腹黒くて油断のならない野心家というイメージなんですが、この作品は違います。

さわやかで快活な好青年!
(´▽`)ノ


■冒険の旅へ

道三は野心を胸に京を飛び出し、途中で多くの敵や仲間と出会いながら戦いを繰り広げます。

夢への階段をのぼっていく姿は、少年のような冒険心と躍動感にあふれています。

まさに道三とその仲間たちの青春群像といった雰囲気の小説です。


■夢のツーショット

若き道三と、老将・北条早雲が手を組んで、ともに戦う一幕があります。

これは興奮しますね。

あの道三とあの早雲のツーショットです。

戦国ファンには垂涎モノの心踊るシーンです。


■道三の秘密

道三は隠居後に剃髪してはじめて「道三」と号するようになりました。

ですからこの小説においても、はじめから「道三」と名乗る人物が登場するわけではありません。

はじめは読者も誰が斉藤道三なのかわからないんです。

魅力的なたくさんの登場人物のうち、いったい誰が斉藤道三になっていくのか、それを予想しながら読むという知的なゲーム感覚の面白さもあります。

この謎を解く重要なカギが作品タイトルの『ふたり道三』という言葉に隠されています。

ふたり道三〈上〉
ふたり道三〈中〉
ふたり道三〈下〉
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