2007年02月17日

武神の階 津本陽(著)

上杉謙信の小説

武神の階〈上〉 (角川文庫) 武神の階〈下〉 (角川文庫)


武神の階〈上〉
武神の階〈下〉

2007年の大河ドラマ『風林火山』で楽しみなのは、Gackt(ガクト)が演じる上杉謙信です。

Gacktも謙信もどことなく神秘的で妖しい魅力があるので、けっこうしっくり来るんじゃないかとワクワクしています。

さてこの『武神の階(きざはし)』は、その謙信が主人公の小説ですね。

1990年に「新潟新報」や「北日本新聞」など18紙に連載されました。

もっとも興味深かったのは、ある冬の昼下がり、謙信が後継者の景勝にいくさのコツを語るシーンです。

城攻めの心得、野戦で勝利する秘訣、いくさの駆け引きなど、とても具体的に細かい点までひとつひとつ伝授していきます。

ライバルの武田信玄と戦ったときのことなど、実例も豊富でした。

歴史の文献をつなぎ合わせたような資料重視の作風は好き嫌いがあるかも知れませんが、全体的に史実を大切にする落ち着いた雰囲気のある小説でした。

歴史小説をある程度読みなれてからのほうが、より楽しめる作品だと思います。

武神の階〈上〉
武神の階〈下〉