2008年03月29日

覇王の家 司馬遼太郎(著)

徳川家康の小説

覇王の家〈上〉 (新潮文庫) 覇王の家〈下〉 (新潮文庫)


僕が読んだときは1冊にまとまっていたんですが、今は上巻と下巻に分かれていますね。
覇王の家〈上〉
覇王の家〈下〉



■ゴッド・ファーザー

映画『ゴッド・ファーザー』と似た面白さがありました。

ゴッドファーザーDVDコレクション
ゴッドファーザーDVDコレクション


■一応…

映画『ゴッド・ファーザー』はフランシス・コッポラ監督のマフィアの映画ですよね。

原作はアメリカの作家マリオ・プーゾ。

この作品でアル・パチーノやロバート・デ・ニーロは一躍有名になりましたね。


■若き日

映画は『パート1』『パート2』『パート3』と作られました。

僕がとくに好きなのは『パート2』です。

『パート2』では、若き日のゴッド・ファーザーが描かれています。

最初はありふれた一市民でした。

それがいつしか頭角をあらわして、闇社会のボスにのし上がっていくんです。

彼がどんな手順でゴッド・ファーザーになっていったのか、そこが面白いんです。出世物語♪


■ナポレオン

いきなりですがナポレオンもそうです。

僕はナポレオンが好きです。

彼はフランス革命の混乱から世に出て、各地で連戦連勝し、ヨーロッパのほぼ全土を支配しました。

ひとりの人間があんなにも大きく歴史に影響を与えられるんだ、という衝撃。僕がナポレオンを好きな理由はこれなんですが、じつはナポレオンの最盛期よりも、世に出るか出ないかという若い頃に興味があります。いったいどんなふうにして世に出てきたのか、って。

人類史にあれだけ大きな影響を与えた人物の、最初の一歩はどんなふうに踏み出されたのか、そこに興味があるんです。


■そして覇王の家

もともとは無力な存在が、時流と才覚で大物に成長する。この不思議さがたまりません。

小説『覇王の家』も、そこが面白いんです!

徳川家康を主人公にした小説です。

でも『覇王の家』というタイトルが示すとおり、家康個人はもちろん、徳川家そのものの歴史を書いています。


■もともとは無力な一族

徳川家の祖先も、最初は無力な存在でした。

徳川家はもともと松平と名乗っていたわけですが、その祖先は三河の山奥のキコリでした。

ここに親氏(ちかうじ)という人物があらわれて、キコリ集団を戦闘員に組織し、少しずつ領土を広げていきます。

この家系がやがて日本全土を支配する家になろうとは、このときはまだ誰も知らなかったわけですから、歴史ってホント面白い!と思ってしまいます。

覇王の家〈上〉
覇王の家〈下〉