2007年01月23日

新書太閤記【11巻】 吉川英治(著)

豊臣秀吉の小説

新書太閤記〈11〉 (吉川英治歴史時代文庫)
新書太閤記〈11〉

■もっとも長い太閤記

最終巻です。

太閤記にもいろいろありますが、この小説はおそらく、本屋に並んでいる作品の中でも、もっとも長い太閤記ではないでしょうか。

全11巻。

ここまで読んできて、秀吉と一緒にひとつの人生を歩んできたような感慨があります。


■上り坂で

秀吉がこの世に生を受けるところから、この小説ははじまりました。

でもその死までは描かれていません。

困難はいよいよ大きく、未来もいよいよ可能性に満ちている、という人生の上り坂で終わります。

とても後味のいい終わり方でした。


■逆境をおもしろがる

とんとん拍子に出世した印象のある秀吉ですが、その実、信長に仕えてからでも「逆境なしという年は一年もない」というほど、苦難の連続でした。

秀吉は壁にぶち当たっても腐りません。

物事がうまく進まない現状そのものを面白がって、笑います。

「逆境おもしろし」と、敢然と立ち向かえる心の余裕があります。

自分にできるだろうか、と思うんです。

逆境を面白がる心の余裕は大切だとわかっていても、実際に自分がそうなったときにどれだけ心から笑えるか。

できないかもしれません。いや、たぶんできません。でも、たぶんできない、と考えるキッカケになっただけでも、この小説を読んで良かったと思います。

たぶんできない。できないかもしれない。でも…。

と考えることがまず第一歩だとすれば、うまくすれば第二歩があるかもしれません。

そのうち何歩か進むうちに、「たぶんできない」が、もしかすると「できるかもしれない」に変わるかもしれません。

そのためにもまずは第一歩。

たぶんできない、と自分を見つめることからスタートできれば、と思うんです。


■スタートはどこでもいい

秀吉はいつでも地に足をつけて前に進んできました。

おおげさな夢を語らず、ただ目の前のやるべきことに集中して歩いてきました。

地に足をつけるというのは、まずは等身大の自分を受け入れることだと教えられた気がします。

だからスタートは、たぶんできない、でもいいんだと思います。

第一歩、第二歩と進んでいけるのであれば、スタートはどこでもいいのかもしれません。

貧農の子からスタートして天下をとった秀吉の人生がその証拠ということで、胸に刻んでおきます。

新書太閤記〈11〉


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