新書太閤記〈1〉
■中国大陸から
物語は、尾張国でひとりの赤ちゃんが生まれるところから始まります。
のちの豊臣秀吉です。
その後、すぐに場面は中国大陸へと移ります。
■秀吉はダメ人間
成長した秀吉は身を立てる道をさがしてチャレンジを続けますが、なにをやっても芽が出ず、周囲からもダメ人間として見られるようになります。
それでも母や姉に楽をさせたいとそればかり願っていた秀吉は、ある日、命がけのアイディアを実行して人生に活路を見出そうとします。
■なりきる!
彼は村では厄介者と蔑視されながらも、母を想い、姉を想い、いつか家族に楽をさせてあげたいと励みます。
彼はどんな仕事も愛して、どんな役割にも真剣に取り組みました。
使いを命じられれば使いになりきり、庭掃除を命じられれば庭掃除になりきり、見張り番に立てば、それになりきる。
■希望の翼
なぜ秀吉はそんなにも仕事を愛せるのか。
それは「現在の仕事は、常に、次への希望の卵だった」からです。
その卵をしっかり抱いてあたためて、やがて「希望に翼がはえて生まれてくる」のを、彼はじっと待っていたのです。
■立身するためには
秀吉は「今の世の中で、身を立てるには、何がいちばん大事か」と考えます。
身を立てるのに必要なことは、まず家柄、さらに金と武力、そして戦働きのできる強い肉体、あるいは学問…
そのどれも、秀吉は持っていません。
ではどうするのか。
秀吉は答えをみつけます。
■秀吉の武器
忠実、ということです。
仕事に忠実になる。
家柄も金も学問もないが、仕事に忠実に励むということだけは、裸になってもできる。それが秀吉の答えでした。
どんな仕事でも、与えられた役割になりきって、天職と思って取り組む。
それが秀吉の出世物語のベースになっています。
新書太閤記〈1〉